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2008年9月11日 (木)

3Dムービーの作り方④

第4章 編集方法

3Dムービーを鑑賞できるようにするには、編集作業が大切である。
通常のストーリーを組み上げる編集を行う前に、立体映像ならではの、「左右のタイミング合わせ」と、「左右上下の位置あわせ」の編集が必要となる。
今回は、ビデオ編集ソフト「Adobe Premier Pro 2.0」の操作画面で編集方法を解説するが、適宜お使いの編集ソフトの機能に読み替えていただきたい。 また、映像ソースとしてHDV (1440 ×1080) の左右映像を使って説明する。

編集ソフト Adobe Premier Proの新規プロジェクトを作成

ビデオ編集ソフト「Premier Pro」を起動し、
HDV 1080i 30 のプリセットで新規プロジェクトを作成する。
Screenimage1__4   

 
ビデオをキャプチャーする
「ファイル」→「キャプチャー」により、ビデオ映像をパソコンに取り込む。

キャプチャー設定は「HDV」を選択する。
左側のビデオテープ、右側のビデオテープをそれぞれキャプチャーする。

キャプチャーした左右の映像を、タイムラインにそれぞれ貼り付け、カットごとに「左右のタイミング合わせ」を行う

プロジェクトタグ内にキャプチャーした映像が読み込まれているので、それを video1, video2 のタイムラインに、それぞれドラッグして貼り付ける。
ここでは、video1 に右画像を、video2 に左画像を貼り付け、タイムラインの名前を「R」「L」に変更している。

Audio1, Audio2 の波形を参照し、左右映像のカチンコで入れた音のタイミングが合うように、映像を時間軸方向に移動させて左右のタイミングを合わせる。 (音と映像が1フレーム程度ずれていることがあるので、最終的には映像で左右のタイミングを確認する)
Screenimage3__3

Screenimage4_up_2_2   

左右映像のタイミングを合せたら、不要部分をカットする。

Screenimage5__2_2

カットごとに「左右映像の位置あわせ」をおこなう。

左右の映像の上下ずれ、ならびに左右ずれを調整する。
上下ずれの調整は、カメラの上下調整ずれをカバーするためである。
左右ずれの調整は、被写体の奥行き方向の定位位置を調整するためである。
(左右ずれの調整は、ステレオウィンドウの調整ともいいます)

実際には、モニター画面を見ながら、左右の映像を切り替え(タイムラインの「目」のマークをクリック)、 スクリーン上に定位させたい被写体が、モニター上で重なるように、左右映像の位置を調整する。
左右の映像を切り替えると、重なっている部分は左右に動かず、それより奥にある被写体(引っ込む被写体)や、手前にある被写体(飛出す被写体)は左右に動くことを確認しよう。
この左右に動く量が、視差である。 飛出す被写体の視差量や、引っ込む被写体の視差量を、この時点である程度推測しながら、左右のずれ量を調整していく。

Screenimage6__2

実際の位置調整は、「エフェクトコントロール」内の、「モーション」の数値を変更することで行う。
左右映像の位置調整と同時に、左右映像の明るさの違いや、色あいの違いが小さくなるように、ルミナンス調整や色調整をしておくとよいだろう。

            Screenimage7_up_2_3

解説 - ステレオウィンドウ調整のコツ

スクリーン面上に定位させたい被写体(飛出しでも、引っ込みでもない±0の位置に定位させたい被写体)を、モニター上で水平位置が重なるように、映像の水平方向位置を微調整する。

Photo 

このとき、スクリーンより飛出す被写体が、モニター枠よりはみ出していると、鑑賞時にその部分でちらつきが発生してしまう。 なので、飛出す被写体は、モニター枠内に収まるようにしよう。 撮影時にこのことを考慮しておくことも立体映像制作のポイントである。

         Photo_3   

 全てのカットごとに、左右映像のタイミング合わせ、位置あわせを行う

全てのカットごとに、ここまでの作業(左右映像のタイミング合わせ、位置あわせ)を
行い、調整済みのカットをつなぎ合わせて1本の作品に仕上げる。

マスクをかける

左右の映像を移動させたことで、画面の上下左右に隙間ができてしまったと思う。 その隙間を見えなくするためにマスク(黒枠)を作成し、映像にかぶせます。
マスクはPhotoshop等で作成する。 映像の移動量が大きくて、隙間が大きくなってしまった場合には、マスクの幅も大きく作る必要があり、最終的に見える部分が小さくなってしまう。

マスクをかぶせる前のモニター映像

    Screenimage8_

マスク(黒枠)
    Screenimage9_

最上層のタイムラインにマスクを貼り付ける

Screenimage10_

マスクが重ねられたモニター画面

     Screenimage11_

※ 平行セッティングによる撮影で望遠を使った場合など、どうしても隙間が大きくなってしまう。 そういった場合にはトーインセッティングをすることで、映像の移動量を少なくし、隙間を小さくすることができる。 ただしその場合、映像に台形歪が生じてきますので注意が必要である。

※ マスク法 vs  拡大法
以上で説明したように、左右映像の位置あわせをすると、上下左右に隙間が発生するので、それを解消するために今回の説明では「マスクをかける」方法を使った。 しかし、この方法以外にも、あらかじめ映像の大きさを101%~110%程度拡大しておいてから、位置あわせすることで隙間を発生させない方法がある。 この場合、マスクをかけたときのように映像が小さくなることはないが、画質が少し低下するので、どちらの方法を使うかは、予め検討しておく必要がある。

マスク法 - 長所:画質の劣化がない
       - 短所:映像のサイズが少し小さくなる
            (上映のときに、その分大きく映写すれば問題ない)
 拡大法 - 長所:画像サイズがフルサイズ
       - 短所:画質が劣化する

※CGで映像制作する場合には、横幅を少し大きくレンダリングすることで、左右位置調整をしても隙間が発生しない映像を作ることができる

左右画像の書き出し

編集が一通り終了したら、左の映像と、右の映像を、それぞれムービーファイルに書き出す。 今回は書き出した映像を、さらにサイドバイサイド形式に並べて利用するため、映像劣化のない非圧縮方式で書き出すことにする。 ただし、この場合、非常に大量のハードディスクを消費するため十分な空き容量が必要となる。
※ 多少の映像劣化が許される場合や、サイドバイサイドなどでの上映ではなく、左右それぞれの映像を直接映写するような場合には、MPEG2などの圧縮コーデックで書き出すことでハードディスクを節約することができる。

① まずは、左の映像をムービーファイルに書き出す

タイムラインの「MASK」 と 「L」を選択する
Screenimage13_l_2   

「ファイル」→「ムービーの書き出し」を実行し、画像の書き出しダイアログが出たら、ムービー名を入力した後、「設定」ボタンを押し、↓の様に設定した後、「保存」ボタンをクリックして実行する。

【設定画面】

「一般」にて、Microsoft AVIを選択する

Screenimage15_

 
「ビデオ」にて、圧縮 : None (非圧縮)
フレームサイズ : 1920 横, 1080 縦
ピクセル縦横比 : 正方形ピクセル(1.0) を選択する

Screenimage16b_ 

「キーフレームとレンダリング」にて、フィールド「奇数フィールドから」を選択する

Screenimage17b_

② 同様に、右の映像をムービーファイルに書き出す

タイムラインの「MASK」 と 「R」を選択する。

Screenimage18_r

「ファイル」→「書き出し」→「ムービー」を実行し、画像の書き出しダイアログが出たら、ムービー名を入力した後、「保存」ボタンをクリックして実行する。 (設定は、左映像と同様なので設定変更の必要はありません)

ここで、プロジェクトを保存し、一旦 Premier を終了する。

これで、編集済みの「左ムービー」と、「右ムービー」を、それぞれAVIファイルとして書き出すことができた。 後は、この左右のムービーファイルを、上映しやすいフォーマットに組みなおせばよい。 今回は、サイドバイサイドに再構築する。

次回は、「第5章 サイドバイサイドの映像をつくる」の予定・・・

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