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2008年9月14日 (日)

3Dムービーの作り方⑥

第6章 完成した立体映像の試写

 フリーウェアの「ステレオムービープレーヤー」(SMP)を利用して、立体映像を試写する方法を説明する。

アナグリフによる試写

完成したサイドバイサイドの映像ファイルを、ステレオムービープレーヤー(stvply)のアイコンにドラッグすると再生が始まる。

再生設定を 「アナグリフ」 にすると、赤青メガネを用いて立体映像を鑑賞することが可能だ。 (映像に赤色が多い場合には 「アナグリフ(カラー赤補正)」モードが見やすい)
凸凹感が逆の場合には「X」キーを押すことで凸凹が反転する。
また、「エンター」キーを押すことで、フルスクリーンで再生される。(下の写真はアナグリフで再生している様子)

アナグリフでは、色の正確な評価はできないが、普通のパソコン画面でも、赤青メガネを用いることで簡単に立体視できるので、立体感の確認作業や、WEB用の映像としては利用価値がある。

Screenimage39_

スクリーンへの映写

予算さえ許せば、サイドバイサイド映像を用いて、スクリーンに映写し、本格的な試写や上映を行うことも可能だ。 以下がそのシステム概要である。

    Digital3dprojector_01 

パソコンに、ビデオ出力を2本持つビデオカードを装着し、DLP方式プロジェクターを2台接続する (液晶方式のプロジェクターは偏光が既にかかっている場合が多く、3D映写には使えない場合が多い)
各プロジェクターの前には、偏光板を左右で90度回転させて設置し、左映像と右映像に偏光角が90度異なる偏光をかける (一般的には、偏光角が45度と135度の
「ハの字」になるように偏光をかける)
スクリーンは、3D用のシルバースクリーンを用いる (普通の白いスクリーンでは偏光が散乱してしまうため、3Dの映写には利用できない)
鑑賞者は偏光メガネをかけて鑑賞する。

パソコンの画面設定を2画面(水平スパンなど)に設定し、
再生ソフトのステレオムービープレーヤー(SMP)の再生設定を、「横並び」にして再生する。
2つのビデオ出力から、右映像と左映像が送出され、スクリーンに重なった状態で映写されればOKである。 下図の様なテストパターンを作っておき、左右の映像がスクリーン上で、ピッタリと重なるように、プロジェクターの角度や、キーストーン補正などを調整するとよいだろう。

01_450

制作した3Dムービーの評価

アナグリフ方式や、スクリーン映写方式で、制作した3Dムービーの試写を行い、以下の点で立体映像として問題がないかを確認する。 問題点があれば編集作業に戻って修正する。

左右のタイミングがずれている箇所はないか
左右のタイミングがずれていると、動きの早い箇所でチラツキを発生したり、立体感が不自然だったりする。 タイミングずれがある場合には、編集にもどって左右のタイミングを合わせなおす必要がある。

映像の上下ずれはないか
左右の映像で極端に上下ずれしている箇所は、見えづらかったり、気分が悪くなる原因になる。 上下ずれが発生している場合には、編集にもどって上下位置を再調整する必要がある。

ステレオウィンドウが破綻している箇所はないか
画面両端のフレームにかかる被写体の立体像が、スクリーン面よりも手前に定位することで、その部分でチラツキが発生する。 その場合には、編集に戻って左右ずれを再調整する必要がある。
ただし、あえてステレオウィンドウが破綻しても、メインの被写体を飛び出させるような演出をする場合もある (動画の場合、視線がメインの被写体にいくことが多く、画面の端はあまり気にならないという特性を利用した演出)

視差量は適当か
飛出し側の視差量  - 横幅の10%程度まで
引っ込み側の視差量 - スクリーンに映したときに、7cm程度まで

上記の視差量を超えていると、映像が立体に見えにくかったり、気分が悪くなったりする場合がある。 どうしても視差量が範囲を超えてしまう場合には、そういったカットは短めにするなどの工夫が必要だ。 また、とくに映像のコントラストが高い箇所で視差量が多いと、上映時にゴースト(2重像)となる場合があるので注意が必要である。

● 立体感が不自然ではないか
合成した部分や、文字乗せをした部分などで、前後の立体感に不自然な箇所がないか確認する。 前に乗せているはずの文字などが、後ろに写っている被写体より、さらに後ろに定位している場合などは、その部分が非常に見づらくなる。 そういった箇所がある場合には、編集に戻り、前に乗せている文字などの左右のずれ量を、再調整する必要がある。

だいたい以上の様な点で問題がなければ立体映像としては安全といえる。 あとは、ストーリー性やエンターティメント性など、映画としてのクオリティーが上がるように頑張ろう。 

3Dムービーは、普通のムービーのように、どんな風に作ってもよいというモノではない。下手に作ると、鑑賞中に目が痛くなったり、気分が悪くなったりという危険性があるためだ。 それに撮影も編集も、通常のムービーの2倍以上の時間とコストがかかると考えてよいだろう。

しかし、そんな苦労をしても作りがいのあるのが立体映像だ。 上映したときの観客の驚く様子を想像してみよう。  リアルな奥行きに感動し、飛出す被写体に手を伸ばし、飛んでくる物体を体でよける。 そんな3Dムービーを皆さんにも作って欲しい。

ということで、第1章~第6章まで、3Dムービーを作るうえでの基本的なことや、実際の編集方法などを説明させて頂いた。 少しでも立体映像をつくってみようという方の役にたてば幸いである。

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